アルミ缶の上にたくみかん

アルミ缶の上にたくみかん

日本百名山を中心に単独登山やドライブなどを書いた日記です。

2018年5月4日:富士宮から富士山登頂―2シーズン目―

GW暇すぎて…やってしまいました。今年も富士登山
相方ちゃんには行くなと言われてたけど、今日は用事で連絡取れないから、 暇の解消に行ってきました。

って言っても思いついたのは昨日の夕方。ちょうどGPVを見ていたら登りたい時間帯に富士山周辺の
天気がほぼ快晴だったんで決行!

すでに昨日、準備を済ませてたから後は午前3時半に起きてちゃちゃっと準備して行ってきました。

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汚い詰め込みですが今回は遭難の可能性も含めたガチ登山なので、ミレーの登場です。

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向かっている最中はまだ山頂は雲の中(あとあとこの雲に悩まされるとは知らず…)

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開山はしていないので当然ながらバリケードです。
どうやら今年のバリケードは去年通れた場所もふさがっていたので無理やり鉄パイプを乗り越えます。
乗り越えた瞬間からすべてが自己責任です。
ちなみに持っていったギアは以下の通り。
・アイゼン
ピッケル
・ストック
・無線機(145Hz帯で設定)
・水(合計:2リットル)
・フリース
・トイレットペーパー
・エネルギードリンク(マラソン用)
・各種免許証
・ホイッスル
・高度計(寒さで画面消えました)

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ちなみにこんな感じで雲が次から次へと西側からくる始末です。
5時10分、標高2400mの気温は-1℃。
凍傷グセのある右手人差し指が一瞬で感覚無くなりました。
今回は到着が遅かったので高度順応もなく登山開始します。

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登山開始はこの看板です。

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では登山開始。

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駿河湾が一望できます。

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先行者が一名います。

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太陽が出てきました。
しかし、風が風速20mくらいありかなり寒いです。

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こちらは愛鷹山方面。

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ここから登り始めになります。
去年はここからアイゼンを履くほど残雪があったのですが、
今年は少ないのか登山靴のままでいけます。
ここまで体温を上げたせいか右手人差し指の感覚が回復しました。
しかし、激痛が。。。
感覚無くなってから血液が再循環すると神経にものすごい衝撃が走るようです。
痛かった―


富士宮ルート強風
しかし、ほんと風が強い。
体感では台風の暴風域レベルです。

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あっという間にガスの中。

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雲ばかりです。

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歩きやすい場所ほど雪が張り付くのか、ルート上の残雪に阻まれる先行者たち。
さすがにルート外の岩場から切り抜けます。

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ご覧のように階段部分はカチンこちん。
先が不安ですね、アイゼンを付ける必要があるのか、その場合、風を避けれられる場所でつけられるのか。

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あまりの冷たい風のため、溶岩が凍る始末。
独立峰の環境って過酷です。

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残雪期の3000m未満というのにエビの尻尾ができるという。。。
富士山カオスです。

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道中に落ちていたペットボトルも無残な姿に。

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はいー、見た目からして寒いです。
でもまだ岩場があるので回避します。

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【富士山】束の間の晴れ
フジヤマブルーの登場でテンション上がったけどやっぱり風強し。

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5月の関東平野ですw

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八合目の山荘に到着です。

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いつの間にか晴れてるという。
山の天気はわからないね。

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江ノ島もくっきり!!

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ここから迂回できないのでアイゼン装着です。
そして、つけて思った。アイゼン無いほうが登りは楽だと、富士山では。

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さあさあ、富士宮名物(自称)上り勾配です。
でも木曽駒よりは楽だよな。。。

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クレバスかな?ってくらいの大きなクラックです。
到るところにあり、雪崩に警戒してました。
残雪期なめちゃだめ。

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上り勾配が終わると今度は魔の大岩トラバース。
何故「魔」かって?
強風で写真上の岩から落石や氷塊が落ちてくる上に滑落したら下まで一瞬で行く場所だからです。

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ね、落ちたらおしまいでしょ?
日本最悪の滑り台です。

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地獄はまだまだ続きます。
ここが急勾配で登りにくい。

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しかも今回はアイスバーンつき。
アイゼン噛まないのでくぼみに爪を引っ掛けて登ります。

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しかもこんなのが延々と続きます。
足を滑らせて一回だけ滑落しそうになったのは内緒です。

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ここで先行者を抜かします。

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鳥居までもう一息。

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そして鳥居に到着!!

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駿河湾がくっきり!!夏の海って感じです。こっちは極寒ですけどw

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今年も雪に埋まっている浅間神社

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富士山はここが山頂じゃないんですよ。
山頂はあちらです。

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なぜか樹氷モンスターがいます。

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ここから地獄の80mヒルクライムの始まりです。
富士山は最後、とにかく登らせますw

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落差200mくらいある火口です。

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後少し。

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体温を戻してくれる太陽。

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そして午前9時ちょうど、3776m剣ヶ峰ゲット!!

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南アルプス方面。こちらもGPVの予測どおり雲が張ってます。

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八ヶ岳より東方面

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結局水分補給は一回もせず、栄養も補給せず登ってきました。
ナルゲンに入れた水が凍ってます。

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抜かした先行者さんも到着。
相方ちゃんの挨拶を見習って「お疲れ様でした」とお声がけしました。

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江ノ島方面

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箱根・伊豆大島方面
芦ノ湖見えますよー

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駿河湾方面

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磐田・浜松方面

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でこちらは登ってきた富士宮登山口です。

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戦車でしょうか?自衛隊の基地から白煙が上がっています。
もしかして総合火力演習って山頂から見えるんじゃないの?
特等席じゃん

下山時はこれまた相方ちゃんを見習い積極的に挨拶をしていきました。
すると全員、ルートの先の情報を求めてきます。
私はすべてに回答しました。
ところで皆さん「どこまで行かれたんですか?どうですか?」と聞いてくるのですが
登山を始めた時は漠然としたオープンクエスチョンに全然回答できませんでした。
だって「どう?」って聞かれたら戸惑いますよね。
そこで私なりの回答の方法をお教えします。
伝えることは2つだけです。
①全体の概要を伝える→今回は上に行くほど風が現在位置よりも強くなる旨を伝える
②特に注意するところを伝える→今回は山頂直下のアイスバーンが要注意でしたのでそれを伝える
っていう感じです。
そして最後に「ご安全に」と伝えて無事を祈ります。
こんなふうにしてやると良いと思いますよ。

最後に少し悲しいお話を登山者としてせねばなりません。
下山後のお話です。

下山して最初のバリケードの部分まで来たところで少しご年配の女性に呼び止められます。

袋から出てきたのは花束。
それを近くの岩陰に手向けてほしいと言われたのです。
(今年はバリケードががっちりなのでおばさん一人ではバリケード内に入れないのです) 花束をみた瞬間、誰か亡くなったんだなと鳥肌が立った私。
手向けたついでにボトルを渡され花に水をかけて欲しいと言われたのでそのとおりにしました。

案の定、誰かが亡くなったようで今日が命日らしいのです。

亡くなられたのはおばさんのご主人。

26年前の今日、富士宮ルートから登ったご主人とそのパートナーのパーティは
9合目付近でテントを張ることにしました。
ところが当日の天候は最悪。
突如、突風によりテントごと飛ばされ行方不明になったのです。
すぐに捜索願いを出しますがヘリも出動できない悪天候。
警察は天候の回復を待ち、翌日捜索に出たところで既にご遺体となったご主人を発見し回収したのでした。
以後、奥様が毎年この日に花を手向けに来られているそうです。
数年前までは途中まで奥様も登られていたそうですが脚を悪くしてしまい登山口に手向ける方針になったとのことでした。

帰宅後調べましたがネットでは情報は出ていませんでした。
ただ、今回の風は暴風で私も風の怖さを体感したのでどんな恐怖だったかは容易に想像ができました。

私はこれまで大きな事故なく下山でき、下りてくるのが当然と思っていましたがこのお話を聞いて、
命を大事にしなければいけないと思うと同時に無事に下山できることに感謝せねばならないと感じました。

偶然だったのか必然だったのか、
私が今回阻まれたのは上記のように台風かそれ以上の暴風であり、ご主人を追い込んだものと同じものでした。
ご主人が亡くなられたのが私が生まれた翌年ということ。
そして今日、最初の登頂者(少なくとも富士宮からは)となり、たまたまタイミングが合った私がその場に居合わせたこと。

考えすぎだとは思いますが、少し調子にのって山登りをしていた私への警告かもしれません。
最後は奥様に許可をいただき手を合わさせてもらいました。

そして車の中ではコブクロのあの太陽が、この世界を照らし続けるように」が流れており、
この話を彷彿させるような歌詞に思わず泣いてしまいました。

山登りは自己責任ですが、帰りを待つ人の気持もザックと一緒に背負っていかなければならないと思いました。

【追記】 この翌日、30代の男性が9合目から滑落されて心配停止で見つかったようです。
登山口は分かりませんがこのような結果になってしまい非常に残念です。